ようこそ、Shigeruの手話文字化研究室へ

 日本手話には書記言語というものがありません。手話を文字にしようという試みはいろいろなところで試みられています。また、手話を文字にするよりもビデオに収録する方がよいという考えもあります。しかしながら、ビデオの場合はハード的な制約がつきまとい、いつでもどこでも手話を媒体を通して見られるわけではありません。また、手話の膨大なコーパスを活用するにも、手話の特性を考慮したインデックスを用いるか、日本語ラベルに頼らざるを得ません。子どもたちが絵本を読む感覚で、常に同じ手話表現を保つには、やはり「文字」というメディアは必要だと思うのです。子どもに覚えてもらい、より使いやすい文字にどんなものがあるのでしょうか。

 アメリカのアリゾナ大学サム・スパラ博士らは20数年の研究を経て、ASLphabetというアメリカ手話文字を開発し、実際の教育に活用しています。英語のアルファベットは26文字であることを基準に、ASLphabetも20~30文字であることが望ましいと判断し、32文字に絞ったとのことです。32文字でどこまで表現しうるかは今後の課題になろうかと思いますが、こういった試みは重要であると思っています。日本語においては50音。日本人はどのように50音を覚えて行ったのでしょうか。やはり「教育」によって、です。

 文字教育を前提に、アメリカなどでの試みを参考にし、日本手話の文字化研究をしていきたいと思っています。